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| 2007/07/23(月) 04:39 | ふぁみこんよみもの |
| ファミコン昔話〜創世編〜 |

ゲーム大好きですが、どのゲームが一番好きと聞かれると、
迷わずこれを選択します。
任天堂社のファミリーコンピューター。
今日はこいつとの出会いのお話。
友達の栄元君(仮名)の家に遊びにいったとき、
小さなTVの前に赤と白のそいつは陣取っていた。
お兄ちゃんが買ってもらったんだ。
自慢気に見せびらかされても、それが何か分からない。
何しろACゲームはともかく、ゲームウォッチすら見ていないのだ。
そんなものより玄関先で見つけたキャラクターの砂場道具のほうが、
僕には羨ましく思えた。
だが、袋から出てきた黄色いカセットが丁寧に差し込まれ、
今まで砂嵐だったTV画面に青空と茶色いブロック群が映し出されたとき、僕の心が大きく弾けた。
なんだコレは!!
スーパーマリオブラザーズとの出会いである。見ててな。
そういって栄元君は、
コントローラーを握った。
赤い体の髭のおじさんは、
栄元君に従い華麗に宙を舞う。
操作してるんだ。そう解釈するのに時間はかからなかった。
車に電車。操作なんて大人しかできないと思ってた。
なのに、なのに。
土管に石垣、あらゆるものを飛び越え敵を炎でやっつけていく。
それはTVや絵本でしか見たことのないヒーローそのものであった。
そのヒーローを操作できるんだ。
その興奮に胸を躍らせ食い入るように画面に見入る。
栄元君は健闘むなしく1-2で全滅。
バトンが僕に回ってきた。
ちびりそうなほどの興奮のなか、
汗ばむ手でコントローラを握る。
ついにこの瞬間がやってきたのだ。
が、
どの指でどのボタンを押せばいいのか分からない。
十字キーの右で進めるのは直感的にわかる。
でもそのボタンをどの指で押し、
どの指でコントローラーを握っておくのかがわからない。
マリオは一向に前に進もうとしなかった。時間ばかりが過ぎてゆく。
こうするんだ。
業を煮やした栄元君が苛立ちながらも
少し得意げにレクチャーしてきた。
やっと前に進んだ。
画面右奥からクリボー。
ジャンプ!!
僕の体は大きく弾んだが、マリオは哀れクリボーに突進。
Aボタンを押さないと。
再度挑戦。だが結果は同じだった。
ボタンと指と気持ちが連動しなくて、
体だけが動いた。
今度はゆっくり進んでみる。
クリボーが出現したら動きを止め、
もう一度コントローラーを見直す。
Aボタン。
しかしクリボーの手前に着地。
十字キー+Aの同時押しの概念がなかったのである。
垂直にジャンプするだけでは、
目測を誤るのも当然であった。
僕の番はそれで終わった。
滑稽ともとれるマリオの動き。時間も数分。
だが、操作することを体感したこの僕は、
TVの世界から抜け出せなかった。
大好きなカルピスの氷は溶けきり、
お菓子に手を伸ばすことすらなかった。
もっと、もっとこの世界を冒険していたい。
もういっかいやらせて。
でもそれは言えなかった。
僕の周囲に
僕と同じ目で画面に食い入る友人が、
自分の冒険を、いまかいまかと待ち望んでいたから。
よくよく見渡せば、
氷のないカルピスのグラスは
ほかにもたくさんあった。
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